街へ!

「街へ!」。それは60年代の合言葉。

王たちの肖像 浅草寺境内
鬼海弘雄/矢立出版/1987年初版
品切れ中
Condition;帯付き、少ヤケ、背3ミリほど破れ

2004年に土門拳賞を受賞した鬼海弘雄のデビュー写真集。たまたま通りかかった人を呼び止めてポートレートを撮影するスタイルは、この作品からはじまり、現在も続けられています。かのアラーキーや、映画監督のアンジェイ・ワイダも彼のことを絶賛したそうです。ページをめくっていくと、ちょっと異貌・異相の人たちが、さりげないポーズをとってカメラにおさまっているだけなのですが、なぜかジーンときてしまいます。巻末には哲学者・福田定良の「エッケ・ホモ(この人を見よ)」というテキストがあって、「彼が見た他人は自分自身、あるいは自分自身の他者なのだ」と、よくわからない解説がありますが、当人の弁はいたって簡単「好きな人をカッコよく撮っている」とのこと。34.6p×26.2p。


木村伊兵衛写真集 パリ
木村伊兵衛/のら社/1974年初版
品切れ中
Condition;函、付録付き、良

木村伊兵衛の名作写真集。1954年から数回にわたり、パリへ洋行した際に撮られた膨大な写真から編まれたこの本は、余白なしで全ページいっぱいにパリの庶民の姿が写しだされています。そこには、下手な意味づけや、わざとらしい起承転結は、まったくなく、さりげなさの中に、「ハッ」と思わせる写真がときどき出てきたりして、そこはやっぱり“達人”だな、と思わされます。編集者もGood! 付録では、佐々木昆「木村伊兵衛先生と私」、大倉舜二「木村さんのこと」、多木浩二「木村伊兵衛『パリ』をめぐって」が収録されています。26.3p×18.6p。


街角
木村伊兵衛/ニコンサロンブックス/1981年
品切れ中
Condition;並

会員だけに頒布されたニコンサロンブックスから、大御所・木村伊兵衛の『街角』写真集。この企画で、三木淳、細江英公、山村雅昭の三人が、木村宅へ参上し、膨大な写真を見ているうちに、そのほとんどが、横位置にのびのびと撮られていたため、この本の横位置のフォーマットが決定したらしい。21p×29.5p。


パリ ボナパルト街 
海老坂武/晶文社/1976年2版
品切れ
Condition;良

サルトルが暮らしていた街・ボナパルトに滞在していた著者の「パリ日記」。まず、この本の表紙(裏も)と見返しの写真が中平卓馬であることに感動です。帯に記された紹介文より−「カフェの利用法、デモの実際からサルトル、ゴルツとの対話まで−パリの日常の中から生まれたばかりの『路上の思考』を綴った異色のパリ日記」。19.2p×13.2p、233頁。


シカゴ,シカゴ その2
石元泰博/キャノンクラブ/1983年
品切れ
Condition;函付き(少ツブレ)、本体は良

1969年の名写真集『シカゴ,シカゴ』に未発表だった作品と、1982年にシカゴで撮った作品を収録。サンフランシスコで生まれ、シカゴのノースウェスタン大学、イリノイ工科大学などで学び、'69年に日本国籍を取得した彼の作品は、「シカゴ市民であり、訪問者でもある」(デビット・トラビス)存在だからこそ、取り出すことができる視点なのだと思います。個人的には、この写真家の撮った建築写真が大スキ。29.6p×22.4p、157頁。


3/4 of Second with ELLIOTT ERWITT(エリオット・アーウィットの3/4秒)
エリオット・アーウィット/マグナム・フォト東京支社/2001年
price;¥1,500
Condition;並

エリオット・アーウィットの写真活動50年を記念して代表作100点を一堂に紹介した展覧会のカタログ。このタイトルは、 かれ自らが名づけたそうで、一枚撮るときのシャッタースピードが1/60秒から1/250秒なので、50年以上に渡って撮られたこれらの写真は、合計で3/4秒となるとのこと。作品同様、ユーモアとウィットに富んだ、彼ならではの命名。1946年から2000年までの作品100点が収録されています。30p×22.4p、127頁。


木村伊兵衛と土門拳 写真とその生涯
三島靖/ 平凡社/1997年5版
品切れ
Condition;並

木村伊兵衛と土門拳という日本を代表する写真家を比較して、そこから見えてくるものをさぐった本。スタイルもテーマも好対照の二人が、「飽くことなく撮りつづけたことに注目し、そこからあらわれる原則や逸脱を、写真そのものを通じて示し」(著者)ています。21p×13.5p、238頁。


新宿考現学
深作光貞/角川書店/1968年初版
品切れ中
Condition;カバー背破れアリ

アングラ、ハプニング、サイケなどで、この当時は若者文化の先端をいっていた新宿。この本で著者は、その都会のジャングルに深く分け入り、画期的で幅広い調査を通して、若者たちをひき付ける秘密を解明しようとしています。60年代新宿文化を知るための基本的文献。19p×12.8p、244頁。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私説 東京放浪記
小林信彦/筑摩書房/1992年初版
price;\800
Condition;少ヤケ、帯付き

「『私説東京繁盛記」という本があるのに、もう一冊分書くというのは、〈下町モダニズム〉〈下町アメリカニズム〉とでもいうべきキーワードを、その後、発見したからだ。・・・東京の現在を考えると、怒りがこみ上げる。未来を考えると絶望し、はるかな過去を想い出すと、喜びを覚える」(著者)。19.5cm×13.5cm、191頁。